hERG試験やヒトiPS心筋を利用したin vitro評価から非げっ歯類を利用したin vivo QT延長試験まで心血管安全性評価を総合的に実施する。
心臓に対する毒性は医薬品の開発中止理由として最も大きな割合を占めており、開発候補化合物の心臓に対する安全性をより早期に、より正確に評価することは、創薬研究において最も重要な事項の一つである。そのために我々は、外部研究者から提供された医薬品候補化合物に対して心臓に対する安全性を評価するためのin vitroおよびin vivo安全性薬理試験を実施する。 In vitro試験としては、hERG試験およびヒトiPS細胞由来心筋細胞を利用した薬理試験を通じて医薬品候補化合物の催不整脈性を評価するとともに、独自の実験系を利用して心臓の左室機能を障害するような毒性の評価を実施する。In vivo試験としては、げっ歯類だけでなく臨床試験を実施するために必要な非げっ歯類を利用して、ホルター心電図を用いた覚醒条件でのQT時間延長作用や麻酔下での薬理試験等を通じて循環器系に対する安全性を評価する。 我々の支援を通じて循環器系に対する安全性が担保されることによって、アカデミアで開発された医薬品候補化合物の臨床への橋渡しや製薬企業等への導出が促進されるものと確信している。