放射光を用いたタンパク質溶液散乱測定による構造解析。
SPring-8の高輝度X線を用いたタンパク質溶液散乱測定(BioSAXS)において以下の測定技術を用いて支援を行う。
現在、利用ビームラインをBL45XUからBL38B1へ移設中であり、本年度後期より、ビームライン利用実験の支援を再開する予定である。
植物由来のフォトトロピン1の機能最小単位の溶液中での青色光受容前後の立体構造の変化を測定し、光受容による構造変化を担うアミノ酸の同定に成功した。
”Blue Light-excited Light-Oxygen-Voltage-sensing Domain2 (LOV2) triggers a rearrangement of the kinase domain to induce phosphorylation activity in Arabidopsis phototropin1”, Oide et al, J. Biol. Chem., 291, 19975-10084 (2016).
X線小角散乱(Small Angle X-ray Scattering) と呼ばれる手法を用いて生体試料のナノスケールでの静的および動的な構造・機能相関解析を進めるために、BL45XUの高輝度X線の特性を活かした測定装置およびソフトウェアの開発を進めている。SEC(Size Exclusion Chromatography)-SAXSでは、X線測定セルを真空チャンバー中に設置することにより、最小20μLのサンプル量でタンパク質溶液散乱測定が可能になった。これは実験室と同じ実験条件(カラム、流速、温度、試料量など)で溶液散乱測定を行えることになる。