創薬や生命機能解明を目指した化合物のインシリコスクリーニング、及びFMO法による相互作用解析
以下を代表例とする25個を超えるターゲットに対するインシリコスクリーニングとヒットした化合物の最適化設計
以下を代表例とするFMO計算による活性予測、及び1500を超える複合体の相互作用解析
理化学研究所の本間研究室では、2007年からターゲットタンパク研究プログラム、創薬等PFなどのプロジェクトにおいて、実用的なインシリコスクリーニング手法の開発と、開発した技術を応用した創薬研究を行っている。 開発している技術の特徴としては、PDBにあるタンパク質構造データとChEMBL等のリガンドの構造活性相関データに基づいて、シミュレーションとインフォマティクスの両面を活用した実用的なものであり、ドッキング条件の半自動最適化システムPALLAS, 相互作用記述子による機械学習予測システムMUSES, 多面的なリガンド検索システムLAILAPSなどがある。 25を越えるターゲットに対してインシリコスクリーニングを実施しており、創薬シードやツール化合物を発見した。その中でいくつかの有望な創薬シードに関しては、特許取得段階や前臨床段階まで化合物を最適化することに成功している。 今回の創薬等LSでは、上記のインシリコスクリーニングの基盤に加えて、タンパク質のような大きな系の量子化学計算を可能にするフラグメント分子軌道法(FMO法)を創薬に活用する基盤の構築を進めている。すでに実用化しているFMO法による相互作用解析に加えて、FMO-PBSAなどの新規な結合親和性予測手法の開発や、世界初のタンパク質の量子化学計算値データベース(FMOデータベース)の公開を行った。