DNA塩基配列特異的結合性を活かした遺伝子発現制御ライブラリーの提供、標的遺伝子と配列設計の段階からの個別相談も可能
具体的には、以下の5種のライブラリー構築を予定
本事業によるこれまでの支援例として、CiRAと共同して下記に示すような32種のChb-PIPコンジュゲートを配置した96 wellプレートを作成しており、共同研究者らにDNA配列特異的損傷を基盤とするがん細胞に対する毒性評価用プレートとして提供している。他のPIPコンジュゲートも含めて各種ヒトがん細胞に対する特性評価進めており、共同研究者からの要望を取り入れながら提供可能なPIPコンジュゲートの評価用プレートとしてのレパートリーを増やす予定である。
研究開発代表者は、水素結合を介して核内DNAの特定塩基配列を認識し可逆的に結合するピロール(Py)-イミダゾール(Im)ポリアミド(以下、PIPと略する)コンジュゲートの合成・評価研究を遂行している。それらの研究を通して、既存の薬剤を疾患細胞内の標的に直接送達・作用させる技術開発を企図している。 本研究では、転写開始領域標的型PIPコンジュゲートの分子設計を基盤とした新規PIPライブラリーを構築・整備して、様々な疾患関連遺伝子群を制御するリード化合物をスクリーニングによって探索・選定する計画である。見出されたリード化合物の薬効メカニズムや動態等を詳細に解析、評価することで、PIPライブラリーのコンセプトの証明も進める。 下図に示すような32種のSAHA-PIPコンジュゲートからなるライブラリーによって、標的遺伝子を探索するアプローチを報告している。現時点で、この6塩基配列認識能を持つ分子設計は、細胞?動物実験を進めていく上で最適の設計であると考える。将来的なスクリーニング支援を考慮に入れて、本事業においてもこの6塩基配列認識設計を基盤にして、新規PIPライブラリーを構築する予定である。