化合物ライブラリー提供とハイコンテンツアッセイを中心とするスクリーニング系構築支援、研究機器利用及び高度受託解析支援
所属 | ①京都大学 大学院医学研究科 | |
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氏名 | ①萩原 正敏、奥野 友紀子 | |
AMED 事業 |
ユニット/領域名 課題名 |
ケミカルシーズ・リード 探索ユニット(ライブラリー・スクリーニング領域) 臨床研究につなぐワンストップ創薬支援 |
代表機関 代表者 |
京都大学 萩原 正敏 |
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支援技術のキーワード | 化合物ライブラリー、表現型スクリーニング、機器共用、高次評価支援 |
京都大学拠点では、先行の創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業その他の支援事業によるサポートと、大学既存の共有設備を集約し、現在では医学研究科・医学研究支援センターを中心に、化合物スクリーニング・薬効の高次評価に資する60以上の機器を備える共同利用施設を整備している。また、遺伝子情報解析、質量分析、マウス行動解析、小動物MRI解析、合成展開についての受託解析も行っている。
これら機器及び受託解析について、アカデミア研究者はもとより学外企業研究者も利用可能である。これら機器を利用した説明会の随時開催、所属スタッフ等によるきめ細やかな利用サポートにより、表現型スクリーニングをはじめとした化合物スクリーニング系構築支援、高次評価支援を行う。特に同時に薬学研究科の管理する3万化合物を数える京大独自化合物ライブラリーと、医学研究科で抱える2500を数える機能既知化合物ライブラリーが利用でき、化合物スクリーニングのコンセプト証明及びドラッグリポジショニングには機能既知化合物ライブラリーを、新規構造の候補化合物探索には京大独自化合物ライブラリーと、支援希望者の創薬ターゲット及び研究状況に応じて適した、化合物ライブラリーを使い分けることができる。さらに医学研究支援センター設置の合成展開支援室により、合成展開や製剤化、動物投与に向けた可溶化検討など、候補化合物取得後臨床試験に向け総合的創薬アドバイス及び実務支援を受けることが可能となっている。
京都大学は、アカデミア発の研究情報を効率的に臨床研究・治験、企業との共同研究に結び付けられる場の構築を目指している。本事業では、医学研究科・薬学研究科の連携を軸とした初期創薬研究支援から高次評価、動物によるPOC取得を可能とする、研究環境支援を行う。それと同時に、京都大学医学部附属病院・臨床研究総合センター(iACT)、医学研究科「医学領域」産学連携推進機構(KUMBL)との連携のもと、知財確保、非臨床・臨床試験推進及び企業導出に関する支援を進めている。
研究環境支援に関連し、京都大学においては医学研究支援センター内に設置されていた創薬研究支援室「創薬拠点コアラボ」の機能を拡大した「ドラッグディスカバリーセンター」を薬学部構内「医薬系総合研究棟」内に設置した。同研究棟にはベンチャー育成支援スペース「イノベーションハブ京都」が設置運営され、「ドラッグディスカバリーセンター」を中心とする大学の研究環境を企業にも開放することで、創薬・医療機器ベンチャーの開発研究支援とアカデミア発シーズの実用化支援を進めている。「イノベーションハブ京都」ではまた、大手企業発創薬関連支援事業や京滋地域行政によるベンチャー・医療産業育成事業の紹介や、創薬・医療器具開発に向けた産学マッチングイベントなどを精力的に進めている。さらに2019年度からは医学研究科、薬学研究科、生命科学研究科、ウイルス・再生医科学研究所が連携した施設共用体制「医学・生物学研究支援機構(iSAL)」をスタートさせ、より広い施設共用を介した研究者交流と共同研究推進を目指している。
さらに2017年より医学研究支援センター内に「合成展開支援室」を新規設置し、有機合成に不案内な生物系研究者の皆様へ、ヒット化合物の合成最適化や臨床試験に向けた製剤化支援など、開発に向けた創薬研究への入口支援を拡充している。これらの活動により、難治疾患等、企業開発ベースに乗りにくい疾患の治療薬創製に意欲のある先生方の、創薬研究への参入と開発に結びつく化合物創製の加速が期待される。
保有機器・受託解析内容など詳しくは下記HPを参照、もしくは支援窓口までお問い合わせください。
(http://support-center.med.kyoto-u.ac.jp/SupportCenter/)