ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いて、Ca fluxにより心室の脱分極から再分極までの時間を表す指標であるQT延長(心電図の QRS 群の開始から T 波終了までの時間であるQT 間隔)等を測定し、心毒性評価を行う。
創薬支援機器
In vitro ADMETの各試験項目に応じた実験機器を揃えており、液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法(liquid chromatography-tandem mass spectrometry: LC-MS/MS)により測定を行っている。
心毒性試験については、Functional Drug Screening System (FDSS)を用いてCa fluxアッセイを行っている。
[3] 支援技術の利用例
In vitroにおいて活性が認められた化合物を用いてin vivoの薬効試験を行う際、期待される薬効が得られないケースがある。その理由として、化合物の溶解度や体内動態に問題があり、生体内の疾患ターゲットに作用していない場合や、化合物の毒性により実験動物に障害が出る場合などがある。よってin vitro薬効試験を行う前に、in vitro ADMET(物性、薬物動態、毒性)の評価を行うことにより、化合物の問題点抽出や、物性や体内動態、毒性面に優れた化合物の選別が可能となる。