RIME法による核内受容体の転写共役因子複合体の同定とその転写活性評価、転写活性を制御する化合物のスクリーニング
分子生物学的手法や遺伝子改変マウスを用いて、難治性内分泌・代謝疾患やメタボリック症候群・生活習慣病の病態解明、新規診断法・バイオマーカーの開発や新規創薬・治療法の開発を進めている。これまでに、ホルモン核内受容体であるPPARγやレチノイン酸受容体(RAR)・レチノイドX受容体(RXR)のリガンドの、pleiotropicな降圧作用や抗動脈硬化作用を明らかにしてきた。現在進めている主な研究内容としては、1)副腎アルドステロン合成酵素(CYP11B2)を標的としたハイスループットスクリーニング(HTS)を用いての難治性高血圧症の新規創薬、2)肥満高血圧症の原因と考えられる脂肪細胞由来の未知の液性因子の同定ならびにそれを基盤とした新規診断バイオマーカーの開発、3)糸球体基底膜ヘパラン硫酸を標的とした糖尿病性腎症の病態解明、4)特異的転写因子を標的とした糖尿病性腎症の病態解明ならびにHTSを用いての新規創薬、5)ACTH産生下垂体細胞を標的としたCushing病の新規治療法の開発、6)質量分析計を用いたホルモン核内受容体の転写共役因子の同定・新規翻訳後修飾の探索、等が挙げられる。