ヒット化合物の最適化、合成技術の高度化により得られた化合物の提供
穏和な酸化的Heck反応をLCHFに適用したデュロキセチン誘導体の合成 九大院薬の津田教授、井上教授らがエコファーマによって、ラットの神経障害性疼痛を抑制することを明らかにしたデュロキセチンを、LCHFの技術を用いて高度化した(特願2015-014848、論文作成中)。
医薬品などの機能性分子を、地球環境に優しい方法で供給する「環境調和型触媒反応」を開発し、様々な生物活性天然物や医薬品の効率的な合成を行うことで、化学・薬学に貢献することを目的に研究を行っている。生物活性化合物に含まれる多種多様な官能基の存在下でも、目的とする官能基のみと選択的に反応させることができる高度な化学選択性を有する反応の開発を行い、ライブラリー構築の迅速化、ヒット化合物最適化の効率化、医薬品同士のカップリングによるハイブリッド医薬品の合成、タンパク質などの生体化合物の直接的な高機能化・ラベル化などの検討を行っている。これまでに多くの協奏機能型触媒を開発し、天然物や医薬品などの生物活性化合物及びその誘導体の効率的な合成に応用し、非天然α-アミノ酸誘導体の触媒的合成法(J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 2664-2669と6194-6203など)の開発に成功している。
直接的な創薬研究としては、高選択的な分子標的抗がん剤の開発(リードの高度化、大量合成、分子プローブの作成)などを行っている。