本事業は、5つのユニットから構成され、1名のプログラムスーパーバイザー(PS)と、1名のプログラムオフィサー(PO)(統括)、および6名のプログラムオフィサー(PO)が ヘッドクォーター機能を果たすことで、運営されています。
本事業の目的は、事業外部で進められているライフサイエンス分野の研究を支援し、その研究がより大きな成果を達成することを実現することです。 事業外の研究を「支援」し大きな成果を達成するためには、事業に参加する研究者は、優れたライフサイエンス分野の技術と知見が必要となります。 今までに蓄積された最先端技術を活用するとともに、それらを世界最先端の技術として常に発展させる必要があります。 つまり研究技術のたゆまぬ「高度化」が必要です。 本事業では、研究の「支援」と「高度化」を車の両輪として、外部研究者の研究を協力に推進します。
近年、クライオ電子顕微鏡技術とシミュレーション技術の急速な発展に伴い、タンパク質の原子レベルでの構造や、生体内装置、さらには細胞の構造を高精度に俯瞰的に観測し、その動的構造を研究するマルチスケール構造生物学が進展し世界の潮流となっています。この手法により、生物の機能を多階層に解き明かし、複雑で動的な細胞内装置に対する新たな知見によって、非連続的な創薬・医療 技術の発展が期待されています。
本事業では、創薬・その他の医療技術への応用を目指して、上記した構造生命科学による疾病関連受容体の構造解析などの生命科学の基礎研究をはじめとし、次世代シーケンサー、化合物ライブラリー、ハイスループットスクリーニング等の技術を用いた創薬プロセスの高度化と、それらの研究リソースを用いた生命科学研究者の支援を行います。
昨今、大学等のアカデミア研究者に対して直接イノベーションを実施する要請が強い一方、基礎研究の推進も同時に求められております。しかし、社会のニーズを的確に判断する必要がある前者の作業と、高度な専門的能力を必要とする後者とを同一の研究者が実施することは容易ではありません。この問題を解決するため、本事業では「支援」と「高度化」の仕組みを実現し、前者を推進しつつ後者に関しても世界最先端の独自性の高い研究技術を開発し、その成果を前者の支援へ応用することを目指します。このような仕組みによる本事業を通じ、生命科学研究の新たな成果が社会に大きなインパクトを与えることと信じております。皆様のご協力を心からお願い致します。
我が国における医薬品・医療機器の革新的創製は、日本の重要な成長戦略として期待されており、特に、大学等で見いだされた萌芽的研究をいかにして革新的医薬品の創出につなげていくか、その期待はますます高まってきています。2016年度まで進められてきた「創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業」は、2017年度から新たに「創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業」として5年間の事業として立ち上がりました。アカデミア創薬のさらなる進展に向けて本事業が有する技術基盤を多くのアカデミアの方々に活用していただき、医薬品等の実用化に果敢に挑戦していただくことが期待されています。
本事業では、創薬研究に重要な5つの基盤技術(①構造解析、②ケミカルシーズ・リード探索、③構造展開、④バイオロジカルシーズ探索、⑤インシリコ技術)が創薬支援のコア技術として選定されており、日本のアカデミア創薬が質的・量的に大きく進展することを期待しています。
大阪大学名誉教授
大阪大学
先導的学際研究機構 創薬サイエンス部門/
大学院薬学研究科
副部門長/教授
SBIファーマ株式会社
取締役執行役員専務
医薬開発本部長
帝人ファーマ株式会社
生物医学総合研究所
上席研究員
理化学研究所
生命医科学研究センター
副センター長
神戸大学
大学院システム情報学研究科
教授