FMOデータベース公開記念シンポジウム開催のお知らせ(3月21日)
<日本薬学会 第139年会 シンポジウムS03>
このたび、世界で初めてのタンパク質全原子を対象とした第一原理量子化学計算結果を多数収載し、検索、閲覧、解析機能を実装したデータベース(FMOデータベース)を公開することになりましたので、公開を記念してシンポジウムを開催することになりました。フラグメント分子軌道法(FMO法)は、1999年に北浦和夫らによって開発された生体分子等の巨大分子系に対する量子化学計算を実現する手法であり、タンパク質と医薬品候補化合物の相互作用を正確かつ定量的に計算できることから、創薬への貢献が期待されていました。その後、PIEDAなどの様々な創薬に活用できる関連技術の発展により、実用性が高まったことから、2014年に福澤薫を代表としてFMO創薬コンソーシアムが設立されました。その後、理化学研究所が中心となってコンソーシアムやAMED BINDS事業と連携しながらFMOデータベースを構築しました。今回開発したデータベースは、正確なタンパク質-リガンド間の相互作用エネルギー値の宝庫であり、創薬分子設計はもちろん、生物学の分子認識メカニズムの解明やAIによる新規な分子力場開発など、多くの学問分野への応用が考えられます。本シンポジウムでは、コンソーシアムの活動、FMO創薬の現状、データベースの内容を紹介するとともに、今後の応用について展望します。
・開催案内WEBページ:
http://eniac.scitec.kobe-u.ac.jp/fmodd/events/541564571.html・オーガナイザー: 本間光貴(理化学研究所)、福澤薫(星薬科大学)
・日程: 2019年3月21日(火) 9:30 – 11:30
・参加方法 日本薬学会 第139年会の企画シンポジウムですので薬学会へ参加のうえ、会場までお越しください。
(日本薬学会 第139年会HP
http://nenkai.pharm.or.jp/139/web/index.html#5)
・会場: 日本薬学会 第139年会 E会場 ホテルニューオータニ幕張 鶴の間(舞)
・お問い合わせ: fmodb_sympo@ml.riken.jp までご連絡ください。
・プログラム:
講演予定者:
9:30~ 9:35 オーガナイザー挨拶
理化学研究所 本間 光貴
9:35~ 9:45 FMOデータベースの情報科学的な活用
神戸大学大学院システム情報学研究科 田中 成典
9:45~10:05 HPCIを活用したFMO創薬プラットフォームの構築
星薬科大学 福澤 薫
10:05~10:25 構造インフォマティクスとFMO計算を融合したインシリコスクリーニング
理化学研究所 本間 光貴
10:25~10:45 FMOデータベースの概要と登録方法
理化学研究所 高谷 大輔
10:45~11:05 FMOデータベースにおける相互作用の統計解析と創薬分子設計への応用
理化学研究所 渡邉 千鶴
11:05~11:25 FMOデータを用いた機械学習力場の構築に向けて
みずほ情報総研株式会社 加藤 幸一郎
11:25~11:30 まとめ
星薬科大学 福澤 薫